フリースクール生徒ブログ 盛岡ユースセンター

盛岡ユースセンターに通う生徒たちが書く生徒ブログです。生徒の目線でユースセンターの日常や生徒の活動を、一同楽しく記録してまいります(*^-^*)

水とお湯と餃子の未解決問題

ある日、盛岡ユースセンターで一つの疑問が生まれました。それは次のようなものです。

 

「xさんとyさんは、水餃子を作っている。水餃子を作る方法は二つあり、一つは水を鍋に入れた状態から水餃子を作るというもの、一つはお湯を鍋に入れた状態から水餃子を作るというものである。水餃子はお湯から作った方が早く出来上がるのであるが、xさんはお湯から作ると失敗してしまうため、水からしか作ることはできない。ところがyさんはいとも簡単にお湯から水餃子を作ってしまう。そんなyさんをみてxさんは絶望している。このとき、xさんにどのように声をかけてあげれば良いか。」

 

この問題はとても汎用性の高い、つまり、生きていく中でとても役に立つ考え方を得ることのできるものだと思ったので、真面目に答えを考えてみました。

 

僕の答えが何かの参考になったら幸いです。

 

                  答

 

まず僕は君に「自分のペースでいいんだよ」と言いたいです。実にありきたりな言葉で申し訳ないけど、本当にそうなんですよ。でも、それは決して例えば「君は水から水餃子を作れるから十分じゃないか」と言っているわけではなくて、それは、yさんに憧れか嫉妬か知らないけど、とにかくそういう種類の感情を抱いて努力するも、そうしないも自由だ、ということですよ。でも一つ注意してほしいことがあって、水餃子云々の話は、宇宙に存在している星の数ほど莫大な人間の能力のたった一つに過ぎないのだから、それを例えば「自分の能力は・・・」とか、「自分の存在は・・・」とか、そういう方向にまで押し広げることはしないでほしいのです。だって、君が誰かと比べて劣っているということも、誰かが君と比べて劣っているということもないですよね?

 

そして、もしかしたら君は、君の身に何か良くないことが起こった時に、「君が君じゃなくなる」ような気がして苦しくなっていることがあるかもしれないですね(僕はそういうこと、よくあるんだ)。でも君はどんなことがあったって、逆に言えばどんなことをしたって、絶対に君自身なんですよ。そして、そんな君をあたたかく受け入れてくれる人が絶対にいるから、安心して大丈夫ですからね。

 

綺麗な赤い色をした心を持つ人と、綺麗な白い色をした心を持つ人がいたとします。すると、赤い色をした心を持つ人は、白い色をした心を持つ人よりも白くない。と同時に、白い色をした心を持つ人は、赤い色をした心を持つ人よりも赤くない。まるで、コインの裏表みたいですね。でも、そんなコインの裏表を生み出しているのは「赤と白、違うものがそこに存在していること」たったそれだけのことなのですよ。このことをぜひ覚えていてくださいね。